【交通量AIカウントラボ⑤】「AIカウント」のご紹介(^^)/

最近、「AIカウント」のプログラム提供に関するお問い合わせが増えています

道路ラボでは、撮影した映像から車両などを検出し、通過した方向や台数を自動的に記録するオリジナルプログラム「AIカウント(AICount)」を開発しています。

最近、このプログラムを使ってみたいというお問い合わせをいただく機会が少しずつ増えてきました。

交通量調査に携わる企業の方からもご連絡をいただき、実際の業務でどのように活用できるのか、どの程度の精度で計測できるのかといったご質問も寄せられています。

AIによる交通量調査は、まだ発展途上

私が確認できている範囲では、撮影した動画を読み込ませることで、車両を追跡し、方向別の交通量や画面内の滞留状況まで記録できるシステムは、まだそれほど一般的ではないように感じています。(もし、他に同様のサイトがあればこっそり教えて下さい(゜_゜>))

私は土木技術屋であり、システム屋ではありません。このプログラムは土木屋目線で開発されており、かゆいところに手が届く設計になっていると(勝手に)思っております。

もちろん、同様の技術を持つ企業やサービスはあると思いますが、かなりクローズで、誰でも比較的手軽に試せる形で提供されているものは、まだ多くないのかもしれません。

これまでの交通量調査では、現地で調査員が数取器を使って計測したり、撮影した映像を後から人が確認したりする方法が一般的でした。

これらは確実な方法ですが、長時間の調査になるほど多くの人手と時間が必要になります。映像をAIで解析できれば、こうした作業を大幅に効率化できる可能性があります。

実務でも活用しています

「AIカウント」は、単なる実験用のプログラムではありません。

私は、この自作プログラムを実際の交通量調査に活用し、これまでにさまざまな場所や条件で解析を行ってきました。

交差点を通過する車両の方向別カウントをはじめ、時間帯ごとの交通量の変化や、画面内に滞留する車両数の把握など、道路交通の現状を数字で捉えるために使用しています。

集計やレポート作成など、まだ手作業が必要な部分もあります。それでも、これまで人が映像を見ながら数えていた作業をAIに任せられることには、大きな可能性があると感じています。

決して「あやしいソフト」ではありませんので、興味のある方には、ぜひ実際の映像で試していただきたいと考えています。

解析結果はCSVファイルで出力

AIカウントで動画の解析を行うと、主に次の2種類のCSVファイルが作成されます。

crossing_log.csv

画面上に設定した判定ラインを車両が通過した時刻と、通過した方向が記録されます。

1回の通過判定が1行のイベントとして保存されるため、Excelなどを使って、時間帯別、方向別、車種別などの集計ができます。

下記は出力CSVを手作業でエクセルで整えたものです。

congestion_index.csv

画面内に滞留している車両数などが記録されます。

この数値を時間帯ごとに確認することで、「何時頃から車両が増え始めたのか」「混雑のピークはいつだったのか」「混雑が解消するまでにどれくらいかかったのか」といった状況を定量的に確認できます。

こちらも、グラフやレポートにまとめる作業は、CSVファイルから必要な数字を集計し、Excelなどを使って行う必要があります。

撮影条件によって精度は変わります

AIによる検出精度は、使用する動画の画角や明るさ、車両の重なり方などに大きく左右されます。

特に重要なのが、カメラを設置する高さです。

低い位置から撮影すると、手前を通過するバスやトラックによって、奥側の車線を走る車両が隠れてしまいます。そのため、可能であれば歩道橋など、ある程度高い位置から撮影するのが理想です。

ただし、高い場所に設置するために危険な作業を行ってはいけません。取り付け時には、何よりも安全を優先する必要があります。

また、大きな交差点では、1台のカメラですべての方向を正確に捉えることが難しい場合があります。その場合は、対角となる2か所から撮影し、進行方向ごとに精度のよい映像を採用する方法も有効です。

夜間撮影では、車両のヘッドライトがカメラに直接当たると、画面が白くなり、車両を正しく検出できないことがあります。できるだけ車両の正面を避け、ヘッドライトの影響を受けにくい角度から撮影することが重要です。

電柱や信号柱などで車両が隠れる場合も、検出精度が低下します。カメラを設置する前に、車両の流れを遮るものがないか確認しておくことをおすすめします。

防犯カメラによる撮影がおすすめ

長時間の交通量調査では、一般的なホームビデオカメラよりも、防犯カメラや監視カメラの方が適している場合があります。

特に、夜間も調査する場合は、赤外線撮影に対応したカメラが便利です。

また、解析結果と実際の時刻を照合できるように、撮影映像にはタイムスタンプを表示しておくことをおすすめします。

時刻が分からない映像では、周辺で発生した出来事や、ほかの交通データとの比較が難しくなってしまいます。

必ず目視による精度確認を

AIが出した数字を、そのまま正しいものとして使用することはおすすめしていません。

解析する動画のうち、まずは10分程度を人の目でも確認し、実際の通過台数とAIの検出台数を比較してください。

例えば、人が数えた実際の通過台数が100台、AIの検出台数が95台であれば、検出率は95%です。

この傾向が安定していることを確認できれば、AIの集計結果を0.95で割り戻すなど、検出率に応じた補正を行うことができます。

ただし、朝、昼、夜で撮影条件が大きく変わる場合は、それぞれの時間帯で精度を確認する必要があります。大型車、小型車、二輪車、歩行者など、対象によって検出率が異なる可能性にも注意が必要です。

AIカウントは、人による確認を完全に不要にするものではありません。人がすべての映像を確認する作業を減らし、より効率よく交通量を把握するための支援ツールとして使用するものです。

ご利用いただいた方の声を募集しています

道路ラボでは、AIカウントを実際に使用していただいた方からの感想やご意見を募集しています。

「うまく計測できた」という報告だけでなく、「この画角では精度が出なかった」「設定が分かりにくかった」「このような集計機能がほしい」といった厳しいご意見も歓迎します。

実際の利用状況を教えていただくことが、今後のプログラム改良につながります。

可能であれば、解析対象、撮影条件、解析結果、実際に使ってみた感想などをご提供いただければ幸いです。解析画面や結果のスクリーンショットをご提供いただいた場合は、個人や場所などが特定されないよう十分に配慮したうえで、道路ラボのホームページで活用事例として紹介させていただくことがあります。

もちろん、ホームページでの公開が難しい場合は掲載いたしません。情報提供のみでも大変ありがたく思います。

プログラムの提供について

AIカウントは、ホームページから自由にダウンロードできる形にはしていません。

使用目的、使用環境、所属団体などをメールでお知らせいただき、利用条件をご確認いただいた方に個別に提供しています。

再配布を行わないことなど、所定の条件を守っていただければ、現在は無料で提供しています。

なお、現在提供しているバージョンには使用期限を設定しています。これは、古いプログラムがそのまま使われ続けることを避け、改良した新しいバージョンへ移行していただくためです。

現在の提供版は、2027年3月31日まで使用できます。来年度版については、利用者の皆さまからいただいたご意見を参考にしながら、さらに改良していく予定です。

一緒に実用的なシステムへ育てていきたい

AIカウントは、まだ完成されたシステムではありません。

撮影条件によって精度が変わり、解析後の集計にも手作業が必要です。実際に使ってみると、分かりにくい部分や改善してほしい点も出てくると思います。

それでも、AIによる映像解析は、これまで多くの人手を必要としていた交通量調査を大きく変える可能性を持っています。

まずは、皆さまが保有している交通映像で試してみてください。そして、うまくいったことも、うまくいかなかったことも教えていただければと思います。

実際に交通量調査を行う方々のご意見を取り入れながら、より使いやすく、実務に役立つプログラムへ育てていきたいと考えています。

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