【SUMO利用ガイド26】Typeモード編

投稿が空いてしまって大変申し訳ございません。気づけば9か月ほどSUMOラボを放置していました。。ちょっと言い訳ですが、本業が忙しくて、、。これからはまたこまめに更新していきます。

今回は、NetEditの Typeモード を使って、車両タイプを設定する方法を説明します。


Typeモードを開く

まず、画面上部の Demand をクリックします。

次に、ツールバーの Typeアイコン をクリックします。

すると、左側に Vehicle Types のパネルが表示されます。


Typeとは

Typeモードで設定する Type とは、車両の種類を一括で設定するもの です。

例えば、現実の道路にはいろいろな車が走っています。

普通車
大型車
バス
自転車
歩行者

SUMOでも、これらを同じ車として扱うのではなく、それぞれ別のタイプとして設定できます。

ここで作ったTypeを、Vehicleモードで選びます。

例えば、Typeモードで

large_truck

という大型車タイプを作っておくと、VehicleモードでそのTypeを選ぶことで、大型車として車両を走らせることができます。

この関係を押さえておくと、Typeモードの意味がかなり分かりやすくなります。


新しい車両タイプを作る

左側のパネルで、Create Type をクリックします。

すると、新しい車両タイプが作成されます。

作成したタイプは、Current Vehicle Type のリストから選べます。

※ここに図2を挿入


最初に設定する項目

初心者のうちは、まず次の項目だけ確認すれば十分です。


id

車両タイプの名前です。

例えば、普通車なら、

passenger_car

大型車なら、

large_truck

バスなら、

route_bus

のように付けると分かりやすいです。

この名前は、あとでVehicleやFlowから呼び出すときに使います。


vClass

vClass は、車両の分類です。

SUMOでは、vClass によって、その車両が通行できる道路やレーンが変わります。

例えば、大型車通行禁止の道路がある場合、vClasstruck にした車両は、その道路を通行できません。

また、バス専用レーンや自転車専用道路のような設定をしている場合も、vClass が重要になります。

つまり、vClass は、

この車を、道路交通上どの種類の車として扱うか

を決める項目です。

普通車なら passenger、大型車なら truck、バスなら bus を選びます。

なお、車の長さや速度、加速のしやすさは、vClass だけで決めるのではなく、lengthmaxSpeedacceldecel で設定します。


color

車両の表示色です。

シミュレーション画面で見分けやすくするために設定します。

例えば、

  • 普通車:青
  • 大型車:赤
  • バス:黄色

のように分けると確認しやすくなります。


length

length は、車両の長さです。

単位はメートルです。

普通車なら5m程度、大型車やバスなら10m以上に設定します。

ただし、length は見た目だけの設定ではありません。

車両の長さは、シミュレーション中の車間や道路上の占有スペースに影響します。

例えば、大型車の length を長くすると、同じ道路の中に入れる台数は少なくなります。

また、交差点付近では、長い車両ほど停止線や交差点内をふさぎやすくなります。

そのため、大型車やバスが多い交通流では、普通車だけの場合よりも渋滞しやすくなることがあります。

つまり、length は、

その車が道路上でどれくらい場所を取るか

を決める重要な設定です。

例:

普通車  5.0
大型車  12.0
バス    11.0

最初は、普通車を5m、大型車やバスを10〜12m程度にしておくと分かりやすいです。


maxSpeed

maxSpeed は、その車両タイプが出せる最高速度です。

単位は m/s です。

ただし、実際の走行速度は maxSpeed だけで決まるわけではありません。

実際には、次の条件のうち、より厳しい条件に従って走ります。

道路側の制限速度
車両タイプのmaxSpeed
前方車両との車間
信号
交差点
混雑状況
加速度

例えば、道路側の制限速度が50km/hであれば、車両タイプの maxSpeed を100km/hにしていても、通常は50km/h程度までしか走りません。

一方、高速道路のように道路側の制限速度が100km/hで、車両タイプの maxSpeed も100km/h相当にしていれば、その車両は100km/h程度まで走ることができます。

つまり、maxSpeed は、

この車両タイプとして出せる速度の上限

です。

道路側の制限速度を無視して、必ずその速度で走るという意味ではありません。


高速道路を含むモデルで、普通車も大型車も100km/h程度まで走らせたい場合は、どちらも次のように設定してよいです。

maxSpeed = 27.78

これは100km/h相当です。

一方で、市街地モデルで大型車の動きを少し重く見せたい場合は、maxSpeed よりも、まずは accel を低めにする方が分かりやすいです。

大型車は、最高速度そのものよりも、

発進が遅い
加速に時間がかかる
車長が長い

という影響の方が、交差点や渋滞では効きやすいです。


km/h と m/s の換算表

時速        SUMO入力値
20 km/h     5.56
30 km/h     8.33
40 km/h     11.11
50 km/h     13.89
60 km/h     16.67
70 km/h     19.44
80 km/h     22.22
90 km/h     25.00
100 km/h    27.78

換算式は次のとおりです。

m/s = km/h ÷ 3.6

つまり、

市街地の速度差を表現したい → 道路側の制限速度を調整
大型車らしい動きを出したい → length や accel を調整
車両タイプとしての上限速度を決めたい → maxSpeed を調整

と整理するとよいです。


accel / decel

accel は加速度、decel は減速度です。

簡単に言うと、

accel  発進時の加速のしやすさ
decel  ブレーキ時の減速のしやすさ

です。

ただし、この値は初心者には少し分かりにくい項目です。

そのため、最初はSUMOの標準的な値をそのまま使えば十分です。

標準的には、次の値で考えておけばよいと思います。

普通車
accel = 2.6
decel = 4.5

大型車
accel = 2.6
decel = 4.5

バス
accel = 2.6
decel = 4.5

としておき、モデルが動くことを優先してください。

慣れてきて、大型車やバスの発進を少しゆっくり見せたい場合は、accel だけを少し小さくします。

例:

大型車
accel = 1.3
decel = 4.5

バス
accel = 1.2
decel = 4.5

ただし、これは調整用です。


標準的な設定

普通車
id       passenger_car
vClass   passenger
length   5.0
maxSpeed 27.78
accel    2.6
decel    4.5
大型車
id       large_truck
vClass   truck
length   12.0
maxSpeed 27.78
accel    2.6
decel    4.5
バス
id       route_bus
vClass   bus
length   11.0
maxSpeed 27.78
accel    2.6
decel    4.5

保存時の注意

作成したVehicle Typeは、ルートファイルである .rou.xml に保存されます。

そのため、保存するときは、どの .rou.xml に保存しているか確認してください。

別のファイルに保存してしまうと、次に開いたときに作ったTypeが見つからないことがあります。


まとめ

Typeモードは、車両タイプを作るためのモードです。

最初に覚える項目は、次の7つで十分です。

id
vClass
color
length
maxSpeed
accel
decel

ーーーその他の細かい設定ーーー

Typeモードには、ほかにも多くの設定項目があります。

初心者のうちは、すべてを理解する必要はありません。

まずは、次のような項目があることだけ知っておけば十分です。

minGap
前の車との最小車間距離です。
通常は標準値のままで問題ありません。

tau
反応時間のような値です。
通常は標準値のままで問題ありません。

sigma
運転のばらつきを表す値です。
通常は標準値のままで問題ありません。

guiShape
sumo-guiで表示される車両の形です。
見た目を変えたいときに使います。

speedFactor
道路の制限速度に対して、どの程度の速度で走るかを調整する係数です。
通常は標準値のままで問題ありません。

speedDev
車両ごとの速度のばらつきを設定します。
通常は標準値のままで問題ありません。

emissionClass
排出ガス計算で使う車両区分です。
排出量を分析しない場合は気にしなくてよいです。

width
車両の幅です。
通常は標準値のままで問題ありません。

carFollowModel
前の車に追従するモデルです。
通常は標準のままで問題ありません。

laneChangeModel
車線変更のモデルです。
通常は標準のままで問題ありません。

personCapacity
乗車人数の上限です。
バスや公共交通を細かく扱う場合に使います。

containerCapacity
コンテナ数の上限です。
物流や貨物を細かく扱う場合に使います。

道路ラボをフォローすることで
新しい記事が公開されたときに、メールでお知らせします。

是非フォローしてください。

お預かりしたメールアドレスに対して、無断で広告メールをお送りすることは一切ございません。
個人情報の取扱いについては、[プライバシーポリシー]をご参照ください。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール