【SUMO利用ガイド21】Demandの各モード概要

NetEditのDemandモードには、多彩なモードが用意されています。これらを切り替えることで、TripやFlow、PersonやStopといった「デマンド要素」を作成・編集できます。

これまでのNetworkモードではEdgeやJunctionをクリックして編集していましたが、ここDemandモードでは「デマンド要素」をクリックして編集します。

「デマンド要素」??
これはネットワーク上を走る車や人の情報です。

ではまず、NetEdit上部にずらりと並ぶモードのアイコンをざっと概要だけお伝えしましょう。詳細はまたコツコツと記事にしていきたいと思いますが。


Inspect

デマンド要素をクリックして属性を確認・編集するモードです。
例えばTripを選べば、出発エッジや到着エッジ、開始時刻などが右側の属性パネルに表示されます。Flowであれば発生頻度や継続時間、Vehicle Typeであれば速度や車長といった性能値を確認できます。要素のプロパティーを確認し、細部を調整するときに使います。


Delete

不要になったデマンド要素を削除するモードです。TripやFlowを誤って作ったとき、あるいはシナリオを変更したときに利用します。


Selection

複数のデマンド要素をまとめて選びたいときに使います。選択状態にしてから一括で属性変更したり、削除したりできます。NetworkモードのSelectionと同じアイコンですが、こちらは道路ではなくデマンド要素を対象にします。


Move

配置済みのデマンド要素をドラッグして移動させるモードです。例えばStopをレーン上で少し位置調整したいときなどに使います。道路そのものは動かせませんが、需要に関わる要素の微調整に役立ちます。


Route

ルート(経路)を手動で作成するモードです。エッジを順にクリックすることで、出発地から目的地までの経路を明示的に定義できます。車や歩行者などに自動計算された最短経路を使うのではなく、自分で「この道を通す」と決めたいときに便利です。これは後のVehicleに割り当ててあげることで、このルートを走行する車両が発生します。


Route Distribution

公式チュートリアルには説明がありません。今後、使い方が分かり次第ご紹介します。


Vehicle

Trip・VehicleやFlowといった車両の需要を定義するモードです。
Trip・Vehicleは単発の移動、Flowは繰り返しの流れを意味します。
出発エッジと到着エッジをクリックするだけで自動的に最短経路が計算され、シミュレーションに登場する車が生成されます。交通流を与えるDemandモードの中心的な機能です。


Type

車両タイプを定義・編集するモードです。最高速度、加速度、減速度、車長、色などを設定できます。ここで定義したタイプをTripやFlowに割り当てることで、同じ道路上でも小型車、大型車、バスなどを混在させられます。現実の交通流を再現するためには欠かせません。


Type Distribution

公式チュートリアルには説明がありません。今後、使い方が分かり次第ご紹介します。
おそらく、トラック20%、軽四30%、乗用車50%など、複数の車両タイプを一定の割合で割り当てる機能だと思われます。


Stop

バス停や乗降場、特定のレーン上で一時停止させたいときに使うモードです。ルートや車両に紐付けて「この場所で10秒止まる」といった設定ができます。公共交通や物流の再現に利用されます。


Person

歩行者を定義するモードです。出発地と到着地を指定すれば、歩行者の移動を追加できます。車両だけでなく人の流れを加えることで、横断歩道や駅前広場などの混雑を再現できるようになります。


Person Plan

歩行者の行動計画を設定するモードです。歩く(Walk)、乗る(Ride)、降りる(Stop)、移動(Trip)などを組み合わせて、1人の行動シナリオを作ります。例えば「自宅から駅まで歩き、バスに乗って、市役所で降りる」といった複合的な行動を表現できます。


Container

コンテナ輸送に関わる需要を扱うモードです。貨物シナリオに登場するコンテナを定義します。車両や歩行者と比べると利用頻度は少ないですが、物流の再現に使えます。


Container Plan

コンテナの行動計画を定義するモードです。どこで積み込み、どこで降ろすかといった物流の流れを細かく指定できます。こちらも特殊なケースですが、大規模な物流シナリオを検討する際には重要な要素となります。


まとめ

Demandモードには、車両のTripやFlowといった基本的な需要設定から、歩行者やコンテナ、さらにはStopやPerson Planまで、多様なモードが揃っています。
一方で「Route Distribution」や「Type Distribution」のように公式チュートリアルに説明がまだないものもあります。これらについては、今後の解説に期待しましょう。

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