今日は細かい機能をまとめてご紹介。一度に覚えれないと思いますが、また必要な時に見返してください。そのうち息をするように出来るようになると思います。
外部地図サイトとの連携
NetEditの編集画面で右クリックすると、「Show cursor geo-position in」という項目があります。これは、マウスカーソルが指している位置の緯度経度を外部サービスで直接表示できる機能です。ネットワークの地理的な整合性を確認したいときに非常に便利です。

Show cursor geo-position in
- GeoHack
Wiki系の地理座標ツール「GeoHack」で位置を開きます。複数の地図サービスにジャンプできるハブ的役割を持つ便利サイトです。 - Google Maps
カーソル位置を直接Googleマップで開きます。ストリートビューや地図検索を使って、現地の道路形状を確認するときに役立ちます。 - OSM(OpenStreetMap)
OpenStreetMap上でカーソル位置を表示します。OSMからインポートしたデータと実際のOSM地図との整合をチェックする際に有効です。

その他関連機能
- Copy cursor position to clipboard
画面座標をコピーします(NetEdit内の相対座標)。
(例:6331.27,4159.19) - Copy cursor geo-position to clipboard
緯度・経度の座標をクリップボードにコピーします。ExcelやGISソフトに貼り付けて分析できます。
(例:36.071818, 140.113567) - Copy view geo-boundary to clipboard
現在の表示範囲の地理的境界(バウンディングボックス)をコピーします。Overpass Turboなどに流用できるので便利です。
(例:140.112795,36.071401,140.114484,36.072111)
「Show cursor geo-position in」は、外部地図サービスと直結できる強力な確認ツールです。特に、Google MapsやOSMとのクロスチェックは、ネットワークの精度を高めるうえで欠かせません。
エッジ右クリック→
Edge Operations
NetEditで道路(Edge)を右クリックすると「Edge operations」メニューが表示されます。ここには、エッジ(道路)の分割・方向変更・形状修正など、ネットワーク作成に欠かせない機能が集まっています。

🔹 Split edge here
クリックした位置でエッジを分割します。交差点を作成したいときや、途中からレーン数を増やしたいときに活用します。(※実務上よく使う基本機能です)
🔹 Split edge in both directions here
両方向のエッジを同じ位置で分割します。対応する逆方向エッジが存在する場合のみ有効です。
🔹 Set geometry endpoint here(Shift-Click)
カーソル位置をエッジの形状終点に設定します。(使い道が良くわかりません)
🔹 Restore geometry endpoint(Shift-Click)
変更した形状終点を元の状態に戻します。(使い道が良くわかりません)
🔹 Reverse edge
エッジの方向を逆転させます。一方通行の方向を間違えて描いたときに修正するのに便利です。CreateEdgeではclickする順番で進行方向が決まります。間違えて逆にしてしまった時に便利。
🔹 Add reverse direction for edge
現在のエッジに反対方向のエッジを追加します。CreateEdgeをした後に、その片方向エッジを双方向にする際に便利です。
🔹 Add reverse disconnected direction for edge
反対方向エッジを追加しますが、接続はされません。(使い道が良くわかりません)
🔹 Reset lengths for edge
ジオメトリを修正した後、エッジ長を再計算して正しい距離に戻します。(使い道が良くわかりません)
🔹 Straighten edge
エッジを直線化します。いびつに描いた道路を真っすぐに整えるときに使用します。
🔹 Smooth edge
エッジの形状を滑らかな曲線に補正します。
🔹 Straighten elevation of edge
高さ関係のメニューですが、使い方が良くわかりません。
🔹 Smooth elevation of edge
高さ関係のメニューですが、使い方が良くわかりません。
「Edge operations」はネットワーク作成・修正に必須のツール群です。特に Split / Reverse / Smooth の3つは出番が多く、公式チュートリアルにも登場する基本操作なので、まずはこの3つを重点的に覚えるのがおすすめです。
エッジ右クリック→
Lane Operations
NetEditでレーンを右クリックすると「Lane operations」メニューが展開されます。ここでは、レーンの複製、形状のカスタマイズ、専用レーンの追加など、主にレーン単位での編集に特化した操作が行えます。

Duplicate lane
選択されたレーンを複製します。同じ形状・属性のレーンを追加したいときに便利です。エッジにレーンが複製されるのでnumLanes(車線数)が増えます。
Set custom lane shape
上級者編のようです。使い方は良くわかりません。
Reset custom shape
上級者編のようです。使い方は良くわかりません。
Reset opposite lane
対向レーンの形状をリセットします。対となるレーン構造にズレがある場合の修正に使います。
Add restricted lane
選択したエッジに、歩道などの「専用レーン」を追加します。
- Slidewalk:歩道
- Bike lane:自転車道
- Bus lane:バスレーン
- Green verge(front):中央分離帯の街路樹(植樹帯)
- Green verge(back):歩道と車道の間の街路樹(植樹帯)

Remove restricted lane
追加された専用レーンを削除します。誤って追加した際や不要になったときの取り消しに有効です。
Transform to restricted lane
既存のレーンを、指定したタイプの専用レーン(例:Buslane(バス専用レーン))に変更します。
ジャンクション右クリック→

TLS operations(信号関連)
ここから信号制御を追加・編集できます。
1つの交差点を右クリックした場合
メニューには 「Add TLS」 が表示されます。
これは、選択した交差点単独で信号制御を設定するものです。
- 単一交差点の青・赤の切り替えサイクルを管理したいときに使います。
- 小規模な交差点や独立した信号機に対応します。
複数の交差点をまとめて右クリックした場合
メニューには 「Add joined TLS」 が現れます。
これは、複数の交差点を 1つの信号システムとして連動 させるものです。

- Reset edge endpoints
この交差点に接続しているエッジの端点を再計算します。 - Set custom junction shape / Reset junction shape
自動生成された交差点形状を手動で変更、またはリセットできます。ラウンドアバウトなど特殊形状を作るときに利用します。 - Replace junction by geometry point (intersection)
エッジの途中の交差点でもないジャンクションをジオメトリポイントに置き換えます。不要なジャンクションを削除して一つのエッジにしたいときに便利です。

- Split junction (5 end points) / Split junction and reconnect
一つの交差点を複数に分割します。大きなクラスタ交差点を整理するときに使います。 - Convert to roundabout (using junction attribute radius)
半径を指定して交差点をラウンドアバウトに変換します。チュートリアルの「ラウンドアバウト作成例」でも紹介される便利機能です。いつかまた紹介します。

- Clear connections / Reset connections
レーン接続を一度クリア、あるいは再生成します。接続が複雑に壊れてしまったときのリカバリに有効です。
ここまで、マウス右クリックメニューから使える操作を見てきました。
いかがだったでしょうか?
息をするように自然に使えるようなりましたでしょうか?
次はいよいよ、シミュレーションの要ともいえる 信号(Traffic light) の設定について詳しくご紹介します。
交差点に信号を置くだけでなく、制御方法やパターンを工夫することで、交通の流れは大きく変わります。
NetEditでの信号設置手順を、わかりやすく解説していきます。
どうぞお楽しみに! 🚦