YOLOv11 × ByteTrackで世界が変わりました
前回の記事では、物体検出モデル「YOLO」と、トラッキングアルゴリズム「DeepSORT」について紹介しました。
少し更新が空いてしまいましたが、この間に……実は AIカウントのシステムを大規模刷新していました。
この数週間、やっていたのはこんな内容です:
- YOLOを最新バージョンへアップグレード
- トラッカーを DeepSORT → ByteTrack に全面移行
- 初心者でも扱える 専用UIを開発
- GPUマシン上での安定稼働のための環境構築
そして、ようやく 爆速かつ安定したAIカウント環境が完成しました。

※上記画像はこの記事に合わせた生成AI画像です。(;^_^A
🔥 ByteTrackとは?
ByteTrack は 2022 年に提出された比較的新しいトラッキングアルゴリズムで、世界的な MOT ベンチマーク(MOT17/MOT20)でもトップクラスの精度を記録している実力派です。
最大の特徴は、
低スコアの検出(Low Score Detection)も積極的に活用し、Occlusion(遮蔽)に強いID維持性能を実現している
という点。
一般的なトラッカー(DeepSORTを含む)は、YOLOが「ちょっと自信ないかも…」と出した低スコア検出は無視します。
その結果、人や車が一瞬隠れると IDが切れやすい・再認識が難しい という問題が起きます。
ByteTrackは、ここが改善されています。
低スコアの検出も「候補」として活用し、追跡の継続に使うため、
- 道路標識の裏に一瞬入っても
- 画面端で小さくなっても
- 車列の陰に少し隠れても
IDが復活する のです。
これは本当に強い!!
✨ 実際に使ってみた感想:DeepSORTとの違いが別次元
私自身、長らく DeepSORT を使っていました。
ただ、あれは設定が非常にシビアで……
- Distance Threshold(距離閾値)が本当に難しい
- 少し設定がズレると「IDブツ切れ」が頻発
- 隠れる → 復活、がとにかく弱い
- 車同士が少し重なると IDが入れ替わる
といった問題がずっと付きまとっていました。
しかし!
ByteTrack に変えてからというもの、これらが 極端に減りました。
特に驚いた点は:
✴︎ ID維持率が圧倒的に向上
道路ラボオリジナルAIカウントアプリでは、方向別カウントを行っており、「どこから来てどこへ行くか」をずっと追っています。この場合、途中でIDが変わると致命傷です。
ByteTrack では、このリスクがほとんど解消されました。
✴︎ 設定値がシンプル
DeepSORT のような「Distance Threshold」を手探りで調整する必要がなくなり、
ByteTrack の調整項目は非常に少なく、意味も分かりやすい。
たとえば:
- track_thresh:追跡する最低信頼度
- match_thresh:マッチングのしやすさ
など、直感的に理解できます。
✴︎ 一度ベストな設定を見つけると映像が変わっても使い回せる
DeepSORTはアングルが変わると設定をまた調整し直し…回しては調整、回しては調整という苦行がありましたが、
ByteTrackは ほぼ固定でOKのような気がします(今のところ)。
これは運用上めちゃくちゃ大きい。
本当に、ByteTrackおそるべし。
🚀 YOLOも v5 → v11 に大幅進化
検出器の方も、YOLOv5 から YOLOv11 に一気にバージョンアップしました。
YOLOv11 は、2024年に登場した最新世代のYOLOで、以下の改善が大きいと言われています:
- 高速化(v5より20〜40%高速)
- 精度向上(特に小さい物体の検出が強い)
- NMS(重なり除去)アルゴリズムの改良
- アクセラレーション対応が強化(TensorRT / GPU最適化)
体感としては、
「誤検出が減り、遠くの小さな車も拾ってくれるようになった」
という印象。
道路ラボオリジナル「AIカウント」アプリの信頼性がワンランク・ツーランク上がりました。
🖥 UIも刷新して“誰でも使えるAIカウント”へ
今回のタイミングで、UIも全面的に作り直しました。

「AIに詳しくない人でも扱えること」を重視して設計し直しています!!
HELPも分かりやすくしたつもりです。上の「HELP」を押すと私のノウハウがギュッと詰まっています。とはいえ、、これだけでは初心者には難しいかもしれません。

🎉 まとめ:ようやく“実用レベルのAIカウント”が完成
- YOLOv11 の高精度な検出
- ByteTrack の強力なID維持
- 可視化しやすい新UI
- GPUでの安定駆動
- 設定値の最適化による高い再現性
これらが合わさり、ようやく
「現場で本当に使えるAI交通量カウント」
になってきた実感があります。
私はシステム業者じゃないので、このアプリは販売はしていませんが、十分売ってもいいようなレベルのものが出来たと思っています。
興味のある方はお問い合わせください。