【SUMO利用ガイド8】NETEDIT基本操作編

1. NETEDITとは?

NETEDITは、交通シミュレーションソフトSUMOに付属する「ネットワーク編集ツール」です。SUMO本体と見た目が似ているため混同しがちですが、実際にはまったく異なる役割を担っています。

SUMO本体はシミュレーションを実行するソフトですが、NETEDITはその「舞台(道路ネットワーク)」を構築するための専用ツールです。道路の形を描いたり、交差点の信号ルールを設定したりと、ネットワークを目で見ながら編集できますが、シミュレーション自体は行えません。

まずはNETEDITを起動してみましょう。


2. 画面の基本

ここではサンプルとして、先ほどOverPassTurboから出力したネットワークファイルを開いてみます。

  • ファイル名:export_orderd.net.xml を選択
  • OKボタンをクリック

これで、対象エリアの道路ネットワークが画面上に表示されます。


3. NETEDITには2つのモードがある

NETEDITは「道路を作る作業」と「車を流す作業」の両方をサポートしています。
この2つを切り替えるのが NetworkモードDemandモード です。

Networkモード(ネットワークモード)

  • 役割:道路や交差点といった「交通ネットワーク(道路網)」を構築するモード
  • できること
    • 道路(エッジ)の作成・編集
    • 交差点(ジャンクション)の生成・調整
    • 道路の幅、制限速度、車線数などの設定
  • イメージ:都市の「道路地図」を描く感覚
    👉 例:直線道路を引く、T字路を作る、双方向道路を設定する

Demandモード(デマンドモード)

  • 役割:その道路上で「どの車がどのように走るか」を設定するモード
  • できること
    • 車両の種類(自動車、バス、自転車など)を定義
    • 出発地と到着地の指定
    • 時間帯ごとの交通需要を入力
  • イメージ:完成した道路地図の上に「どんな車を、いつ、どこに走らせるか」を置く作業
    👉 例:朝7時に駅前から住宅地へ100台の車を流す、といったシナリオ作成

4. 操作モード(基本ツール)

NETEDITにはさらに、編集に使う「基本操作モード」が用意されています。ショートカットキーも割り当てられているので、慣れると素早く切り替えられます。

  • Inspectモード(I)
    選んだオブジェクトの詳細情報を表示・編集する
    → 虫眼鏡で調べる感覚
  • Deleteモード(D)
    クリックしたオブジェクトを削除する
    → 消しゴムツール
  • Selectモード(S)
    複数のオブジェクトをまとめて選択する
    → 範囲選択ツール
  • Moveモード(M)
    道路や交差点の位置をドラッグして修正する
    → 地図上の点をつかんで動かすイメージ
  • Edgeモード(E)
    道路(エッジ)を作成する。ノード(点)を結ぶと道路になる
  • Connectionモード(C)
    交差点での進行方向(右折・直進・左折)を設定する
    → 信号や進行ルールの編集に使う

それぞれのモードは頭文字がキーボードのショートカットキーになっています。
例えばEdgeモードに切り替えたい場合はキーボードの「E」を押します。
今後、操作を進めて行くうえで、頻繁にモード切替えをしていきます。
左手はキーボードの上に乗せ、常にショートカットキーを押せるようにしておくと、プロっぽいです。


まとめ

以上が、NETEDITを使ううえで知っておきたい「基本のモード」と「よく使うツール」です。

次回からは実際のネットワークを題材に、どのモードをどう使うかを一つずつ解説していきます。

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